名作「タクシードライバー」(1976年)や「アビエイター」(2004年)などの作品で知られる米国の名匠、マーティン・スコセッシ監督が1978年に撮ったドキュメンタリー映画「ラスト・ワルツ」(米、116分、ワーナー映画配給)。この映画は米国で16年間、コンサート活動を続けてきたロック・グループ「ザ・バンド」が解散するにあたり、サンフランシスコでファイナル・コンサートを開いた模様を、インタビューを交えながら追っている。同コンサートには、ボブ・ディランやエリック・クラプトン、元ビートルズ・メンバーのリンゴ・スター、ローリング・ストーンズのロン・ウッドなど超大物ミュージシャンらが大挙して出演した。 ザ・バンドは1959年、カナダのトロントで、ロビー・ロバートソンを中心に結成。当初は「ザ・ホークス」と名乗っていた。65年からはボブ・ディランのバック・バンドを務めていた。ウッドストック・コンサートに出演してから、グループ名を「ザ・バンド」と名乗った。音楽的な特徴として、米国の伝統的な音楽であるカントリー&ウエスタンをベースにしたカントリーロックが身上だ。さらに、ロック・ミュージックにフォークやR&Bなどの要素を取り入れた音楽性が高く評価され、多くのミュージシャンに多大な影響を与えた。特に彼らの代表曲「ザ・ウエイト」は、米ニューシネマの代表作「イージー・ライダー」(69年)の挿入歌として使用され、大ヒットした。74年にはディランとともに、ツアーを行い、大成功を収めた。76年に解散を発表し、解散後は各自がソロ活動を行ったり、ロバートソン抜きでグループを再結成し、ツアーを行ったりしたが、99年以降は活動を停止している。映画「ラスト・ワルツ」では冒頭、ファイナル・コンサート終了後、ザ・バンドがビリヤード場でリラックスしている場面から始まる。そして、同コンサートのアンコール曲への場面にリンクする。さらに、コンサートの舞台となった米国サンフランシスコの街が描写され、会場の「ウインター・ランド」を映し出す。M.スコセッシがロバートソンにインタビューを行う。ロバートソンは「このコンサートを祝祭にしたかったんだ」と真情を吐露(とろ)する。 やがて、冒頭のステージ上でザ・バンドの曲が始まる。続いて、ザ・バンドとかつて一緒に活動していたゲストのロニー・ホーキンスが、Who do you love?と絶唱。そして、インタビューのシーンが挿入され、ザ・バンドのメンバーらは、結成当時まったく金がなく、スーパーへ行き、安物のパンを買い、ソーセージを万引きしたことなどを述懐する。このあと、詩の朗読があり、いよいよフォーク・ロックグループのクロスビー、スティルシュ、ナッシュ&ヤングのメンバーであるニール・ヤングが登場する。ニールは目つきが怪しく、人相もすこぶる悪い。彼が披露した曲は、米国の学生運動を題材にした映画「いちご白書」(70年)の挿入歌でもある「ヘルプレス」(=救いようがない)。ハーモニカを吹きながら、アコースティック・ギターを奏(かな)で、高音域でうたう彼の歌声は、何ともやるせなく人間の情感にうったえるところがある。 そして続いての曲はザ・バンドの「ザ・ウエイト」。ザ・バンドに黒人女性コーラス・グループ(ステイブル・シンガーズ)が加わり、思い入れたっぷりにうたう。全編を通じ、最もエモーショナルな場面だ。歌詞の概要は次の通り。♪ 俺はナザレ(キリストが少年時代を過ごした町)へと、半分死んだ状態でやって来た 俺はカバンを持ちながら、隠れ場所を探した クレイジー・チェスターが霧の中で俺を追ってきて捕まえた やつは言った「私の犬を連れて行ってくれるなら、おまえの苦しみを解き放ってあげよう」 俺は言った。「チェスター、ちょっと待ってくれ。いざこざは、ごめんだ」 帰路で俺は急行列車に乗った 俺のカバンは信じられないほど重くなった 俺の唯一の女、ミス・ファニーのところへ戻る時がやって来たのだ ファニー、荷物をおろせ!!ファニーよ、自由になれ!! 俺にその荷をよこしなさい Take a load off Fanny、take a load for free Take a load off Fanny、And (and)(and)you can put the load right on me!!♪ 続いて、ステージではニール・ダイヤモンドの力強い歌やジョニ・ミッチェルの澄んだ歌、マディ・ウオーターズのロックンロールとブルースが融合した歌などが次々に披露される。そして偉大なギタリスト、エリック・クラプトンの登場。「ファザー・オン・アップ・ザ・ロード」を熱演する。このあと、ザ・バンドの「オフェリア」などの曲に続いて、カリスマ的ミュージシャン、ボブ・ディランが「Forever Young」(いつまでも若く)をうたう。貫録十分なステージだ。ディランは白いハットに、黒皮のジャケット、赤いギンガムチェックのようなシャツ、ジーンズといった格好。ディランが出演するだけで、コンサートの存在価値は否応なしに高まる。フィナーレでは、すべての出演者にリンゴ・スターとロン・ウッドが加わり、全員で「アイ・シャル・ビー・リリースト」をうたう。これだけのメンバーが一堂に介し演奏を繰り広げるのは圧巻だ。すごい顔ぶれであったと実感する。映画のラストシーンでは、スタジオで撮影されたザ・バンドの哀感あふれる「ラスト・ワルツのテーマ」が流れ、エンディングを迎える…。 この映画におけるスコセッシの演出は、舞台台本と綿密な打ち合わせを行い、さらにほとんど客席や観客の表情などを撮らず、演奏だけに焦点を合わせているのが特徴だ。またギャング映画「グッドフェローズ」(90年、米)での音楽もそうであったが、スコセッシはロック好きな監督だ……。スコセッシによるインタビューで、ザ・バンドの下積み時代の苦労などがよく分かって興味深い。また、解散の真相がロバートソンのセリフ、「ツアー中にジャニス・ジョプリンやジミ・ヘンドリックスなどの偉大なミュージシャンが死んで怖くなった」に集約されている。「ツアーのなかですべてを学んだ」と言うザ・バンド。彼らのファイナル・コンサートは60、70年代のロックおよびカウンター・カルチャーの終焉を告げているようだ。 [5段階評価]……☆☆☆ ラスト・ワルツ〈特別編〉
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ザ・バンド『ラスト・ワルツ』~ジョニ・ミッチェル
今日はザ・バンド最後のコンサートの様子を収めた豪華なライヴ盤『ラスト・ワルツ』のご紹介。ザ・バンドのフィナーレを盛り上げるために、ボブ・ディラン、ニール・ヤング、エリック・クラプトン、マディー・ウォーターズ、、リンゴ・スター、ロン・ウッド、ヴァン・モリソ.. ...続きを見る |
Muse on Music. 2006/05/21 00:49 |
☆ ザ・バンド 〜 THE LAST WALTS 〜
?? ...続きを見る |
♪ 音楽回顧録 ♪ 2006/05/21 11:15 |
BAR OZZで、ザ・バンドをLDで観た
ラスト・ワルツ〈特別編〉 私の家の近所に、行きつけのバーがあります。 それは、新大橋の深川寄りのたもとにある、BAR OZZというお店なんです。カズキさんという、ちょっとコワモテ系のマスターと、マキさんという美人ママさんがやっている、とてもオシャレな感じのお店な... ...続きを見る |
ブルーズマンの、ブルージーな話 2006/05/21 11:44 |
レビュー「ラスト・ワルツ・ジャム」
ザ・バンドの映画『ラスト・ワルツ』のDVDには、特典映像として「JAM #2」という未公開映像が追加されている。 以下の文章は、数か月前に『ラスト・ワルツ』を見たとき、特典映像があまりにおもしろかったので書いたものなのだけれど、少々マニアックすぎるので、発表を控 ...続きを見る |
山羊の頭のスープ 2006/05/22 08:30 |
??????????? The Ballad of Cable Hogue
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???????????d? 2006/05/22 18:44 |
『ラスト・ワルツ』
レヴォン・ヘルムつながりで『ライトスタッフ』とどっちみようかなーと迷った挙げ句ついつい手にしたのはやっぱしこっち。久しぶりの鑑賞。 ...続きを見る |
flicks review blog I... 2006/05/26 16:26 |
Last Waltz / The Band
1976 年、サンフランシスコで開催されたザ・バンドのラスト・ステージを記録した映画。ボブ・ディラン、エリック・クラプトン、ニール・ヤング、ジョニ・ミッチェル、ヴァン・モリ&... ...続きを見る |
ENDLESS HIGHWAY 2006/06/10 01:09 |
◆レヴォン・ヘルム(元ザ・バンド)についての覚え書き
〜『ラスト・ワルツ』(1978/マーティン・スコセッシ)、『歌え!ロレッタ愛のために』(1980/マイケル・アプテッド)、『ライトスタッフ』(1983/フィリップ・カウフマン)他 こんばんは、ダーリン/Oh-Wellです。 ...続きを見る |
太陽がくれた季節 2006/07/02 23:48 |
This is the Band
どうも、斎田です。 ただ今、ディランのDVD『No direction home』をNに貸しています。まだ貸さなきゃ良かった。見たい…なのでかわりにザ・バンドの『Last Waltz』を見る事にしました。ザ・バンドのなにが良いって、それはやはり彼等の「顔」ではないでしょうか。5人揃ってむさ苦しい男の顔をしています。そんな彼等の演奏も「顔」と同じく暑いものがあります。独特なリズムのため、噛めば噛むほど味が出るスルメのようなメロディ。最初聴いたときは何だか地味だなぁと思っていたのですが繰り返し聴い ...続きを見る |
「咲いた手帖」 2006/07/04 11:08 |
ザ・バンド 2
NO.00530 ...続きを見る |
まい・ふぇいばりっと・あるばむ 2006/10/21 15:44 |
エリック クラプトン (ERIC CLAPTON) ; Sign Language
このSign Language(Bob Dylanの作)はEric Claptonのアルバム「No Reason To Cry」の中でBob Dylanと一緒に演奏されています。 ...続きを見る |
イルカちゃんの楽しく英会話 2007/08/14 21:02 |
| 内 容 | ニックネーム/日時 |
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こんにちわ♪ |
Nob 2006/05/21 11:13 |
TBありがとうございます。 |
ブルーズマン 2006/05/21 11:47 |
>Nobさん、よーこそ「シネ・ワン」の世界へいらっしゃいませ。TB&コメント感謝です。 |
D.ギルモア 2006/05/21 15:12 |
>ブルーズマンさん、よーこそ「シネ・ワン」の世界にいらっしゃいませ。TB&コメント感謝です。 |
D.ギルモア 2006/05/21 15:23 |
どうもこんにちは〜。TBありがとうございました。 |
muse 2006/05/22 16:34 |
museさん、よーこそ、「シネ・ワン」の世界へいらっしゃいませ!!TB&コメント感謝です。 |
D.ギルモア 2006/05/22 21:52 |
コメント&トラックバックありがとうございます。 |
GOATS 2006/06/10 21:31 |
GOATSさん、よーこそ、「シネ・ワン」の世界へいらっしゃいませ!!またTB&コメントありがとうございました。 |
D.ギルモア 2006/06/10 23:52 |
TBどうもです。 |
river 2006/08/05 00:51 |
riverさん、よーこそ、「シネ・ワン」の世界へいらっしゃいませ!!また、コメントありがとうございます。 |
D.ギルモア 2006/08/05 01:12 |
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