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<<   作成日時 : 2006/06/17 00:42   >>

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画像2005年10月に劇場公開されたホラー映画「蝋人形の館」(原題=House of Wax、05年、米、ジャウム・コレット・セラ監督、ワーナー映画配給)。この映画は、二度目のリメイク作品だが、まるで「ポルター・ガイスト」(82年)や「スペース・バンパイア」(85年)などで知られるトビー・フーバー監督のとてもまともには正視することのできないトビー・パワーが炸裂したような伝説的スプラッター・ホラー「悪魔のいけにえ」(74年、米)をベースにしたような感じのする映画だ。

物語は、男女6人のグループが車で、大学アメフトの試合を観戦しようとドライブするが、途中でキャンプをすることになった。同地で異様な臭いがしたり、正体不明のトラックが出現するなど奇妙な事件に遭遇する。そして、近くには蝋人形館のある不思議な町があった……。

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ここで、本作をストーリー上の構成にしたがって見てみよう。まず、序盤だが冒頭では、1974年の時代設定で、ある一家の情景描写が行われる。一種異様な家族で、仮面に蝋を流したり、子どもを折檻するなど不可解なシーンだ。後で判明することなのだが、30分間位続けて見ていて、冒頭シーンとは一体なんなのかと脳裏にひっかかる。「バタフライ・エフェクト」を見ていたときもそうだった。このような導入の仕方には疑問を感じる。そして、時代は現代へと移り、若者グループが大学アメフト大会を見に行こうとドライブ。若者6人の説明的な描写がある。まずヒロインのカーリー(エリシャ・カスバート)と友だちのペイジ(パリス・ヒルトン)。そして、カーリーの兄ニック(チャド・マイケル・マーレイ)とその親友ドルトン(ジョン・エイブラハムズ)。さらにカーリーの恋人ウェイド(ジャレット・パダレッキ)、ペイジの彼氏ブレイク(ロバート・リチャード)も加わる。

画像キャンプ場での様子は、のんびりとして気楽な雰囲気である。しばしば挿入するハンド・カメラによる撮影は映像にアクセントを与えている。しかし、怪事件が相次ぐ。まず、周囲から異様な臭いがしたり、突如、謎のトラックが出現するなど。ホラー映画序盤のお膳立てとしては、まずまずのものだろう。翌朝、さらに車のファンベルトが切られるなどの事件が続く。カーリーとウェイドの2人はファンベルトを買い求めるため、キャンプ場北部でGSがあるという<地図にない町>を訪れる。この町はペットショップや映画館、雑貨屋、教会など独特の雰囲気があり、町の情景描写としては印象深い。そして丘の上にある問題の「トルーディーの蝋人形館」……。

画像閉館中の館内に入った2人はさまざまな蝋人形を見学する。それらは全て有名人のものではなく、不思議な感じのする不気味なものばかりだ。カーリーは鏡に映った人の姿を発見する。仮面をかぶった怪人だ。ここで、どうしても「悪魔のいけにえ」(リメイク版=「テキサス・チェーンソー」)に出てくるチェーンソーを振り回すあの殺人鬼を思い出さずにはいられない。うーむ、恐ろしい…。やがて、2人はGSの経営者であり、牧師でもあるボー(ブライアン・ヴァン・ホルト)の自宅に案内される。ウェイドは同宅内を探索するが、奇妙な動物のホルマリン漬けがいかにも不気味だ。そして、カーリーは同宅内にあったトラックが昨晩の不審車であることを発見。また、室内ではウェイドがボーの弟で仮面の怪人、ヴィンセントに襲われる。ここから、サスペンスの要素をふんだんに取り入れた中盤へと展開していく。

画像地下室では、ウェイドがヴィンセントによって蝋人形にされてしまう。一方、ボーから逃れたカーリーは、教会で助けを求める。しかし、参拝者すべてが蝋人形であったことを知り愕然(がくぜん)とする。カーリーはGSへと行くが、ここでボーに捕まえられる。機械に縛り付けられ口は接着剤で封印される。GSに妹を迎えに来たニックは、ボーに会うが、「誰も来ていない」とボーは白を切る。地下室から兄に助けを求めて手を差し出したカーリーの手に対し、ボーはペンチのようなもので、彼女の指を切断する。「悪魔のいけにえ」に負けず劣らずの残酷シーンだ。一方、蝋人形館ではニックの親友ドルトンがカーリーらを捜索するが、ウェイドがすでに蝋人形になっているのを発見。さらにドルトンもヴィンセントによって首を切断される。

キャンプ場では、ペイジとブレイクが熱いシーンを繰り広げる。赤い下着姿になるペイジのストリップ・シーンは、なんともセクシーで悩ましい。しかし、ここでも突如、ヴィンセントが現れ、ブレイクを殺害する。そして定番であるヴィンセントによるペイジへの追っかけシーン。サスペンス特有の″ハラハラ・ドキドキ″を感じさせられたあと、ペイジは材木のようなもので頭をぶち抜かれる。さらに、この姿をヴィンセントはビデオで撮影する。かなり残忍な場面である。

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町なかでは、ニックとカーリーがボーの追跡をかわすため、映画館の中へと隠れ込む。同映画館では、ベティ・デイヴィス主演のサスペンス映画「何がジェーンに起ったか?」(62年)を上映している。この″劇中劇″である映画の挿入は、独特の雰囲気を醸し出し、功を奏している。蝋人形の観客らにまぎれ込んだカーリー。いつボーに発見させられるのかとハラハラする。サスペンス感覚十分だ。

やがて、ニックとカーリーの2人は、ウェイドを救出しようと再びボーの自宅に駆けつける。同宅内で新聞記事を見つけ、ボー、ヴィンセント兄弟の真相を知る。しかし、矢で胸を射抜かれたボーが戻り、さらにはペイジとブレイクの死体をトラックで運んできたヴィンセントも帰ってくる。兄のボーは弟に「あと始末するのは2体だ。頑張ろう」と激励する。なんと残酷無比な兄弟なのだろう。地下室では、ニックとカーリーが、ドルトンも蝋人形にされているのを発見。ニックは激怒する。

画像そして終盤のクライマックス。蝋人形館は火災が発生し、次々と蝋人形が溶け出していく。カーリーはヴィンセントに追いかけられ、バットで反撃する。ニックは脚をナイフで刺され、重傷を負う。しかし、カーリーはナイフでヴィンセントを一撃し窮地を逃れる。ボー兄弟は火災で溶け出した蝋人形館の奥底で転倒死する。この場面ではCGを使い、かなりの迫力があることはたしかだ。崩れ落ちる蝋人形館。″崩壊感覚″と言っていいだろう。翌朝、館の前には多くの警察官とパトカーが群がっている。なぜ、これだけ多くの町民が殺害されているのに事件化しなかったのだろうか、という疑問がわくが、映画では「ここは奥まった所にあり、地図にない場所だから」などと説明する。納得のいくような、いかないような気分だ。ラストでは、序盤に登場した動物死体置き場での男が、ボー兄弟の一人であることが判明する。これは「羊たちの沈黙」(90年)などと同様、続編の可能性を示唆している。

アメリカでは「13日の金曜日」のジェイソンや、「エルム街の悪夢」のフレディ、「悪魔のいけにえ」の殺人鬼、そして本作など、残忍なモンスターが暴れまくるというのが、ホラー映画の一つのパターンとして製作され、観客にも受けているようだ。しかし、いくら作り物とはいえ、余りにも残酷すぎることはないだろうか。米国民の本質の一部を表しているものなのだろうか。このようなことを指摘するのは、<表現の自由の世界>にあって野暮なことなのかも知れないが……。

[5段階評価]……☆☆☆

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蝋人形の館 特別版
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2006/06/22 18:25
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★YUKAの気ままな有閑日記★
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コメント(20件)

内 容 ニックネーム/日時
TBありがとうございました。

冒頭で殺人鬼の異常性をアピールするパターンは、すでにハリウッド猟奇ホラーの定番演出になってますね。
ここである種のサイン、「これはホラーであって、クライムムービーではありませんよ〜」的なメッセージを送っているんだと思います。

「悪魔のいけにえ」との比較は、ちょっと面白い視点ですね。

「レンタル放題。」
http://ouka-den.ameblo.jp/
はち
2006/06/18 06:16
はちさん、よーこそ「シネ・ワン」の世界へいらっしゃいませ!!

この映画は、見ていてトビー・フーパー監督の「悪魔のいけにえ」に話の運び方が似ているなあ、という感じがしました。「悪魔の〜」は今年初めて見たのですが、30年前以上の作品であるのに、かなりショッキングな印象を受けました。トビーはその後、スピルバーグ一家と組んでソフト化路線に走るのですが、「悪魔の〜」はホラー映画史に残るすごい(というかめっちゃ残酷)作品だと思います。

それでは、今後ともよろしくです!!
D.ギルモア
2006/06/18 14:26
初めまして、黒蜜といいます。
TBありがとうございました!
>>確かにアメリカのホラー作品は、食事中に観るにはちょっと憚るような、視覚的な怖さというか、残酷描写が目立ちますよね〜。
黒蜜
2006/06/18 15:48
はじめまして!TBありがとうございます^^
確かに私もヴィンセントが出てきたとき、「悪魔のいけにえ」の殺人鬼を思い出しましたね!
似ている点がありましたよね。
「悪魔のいけにえ」の古い作品なだけに画面がちらついてるのがより一層怖さを醸し出してたような気がします。本当に残虐で・・・ショッキングでしたが、現代版になった「テキサス・チェーンソー」もかなり残酷でしたね(;^_^A
Rin
2006/06/18 19:36
>黒蜜さん、よーこそ、「シネ・ワン」の世界へいらっしゃいませ!!

本当に、アメリカのスプラッター・ホラー映画って怖いものがありますよね。あと、残酷描写に関しては世界ナンバー1みたいですね。

それではまた、今後ともよろしくです!!
D.ギルモア
2006/06/19 00:26
Rinさん、よーこそ、「シネ・ワン」の世界にお越しいただき、ありがとうございました。

この映画は、パターンとして「悪魔のいけにえ」によく似ていますよね。残虐性では「悪魔の〜」がこれまで見たスプラッターのなかで、一番のような気がします。ただ、続編の2では、怪優デニス・ホッパーが出演するなど、ソフトとなり、少し好感がもてました。

リメイクの「テキ・チェン」ですが、残酷ではありましたが、「悪魔の〜1」に比べると、ソフトで少し、見やすかったという印象をもちました。

それでは、また当ブログに遊びにきてくださいね!!
D.ギルモア
2006/06/19 00:37
TB&コメントありがとうございました。
ホラー好きですのでまた遊びに来て下さい。

HNはやはりフロイドからだったのですね。
プログレ系のバンドでドラムもやっておりますので、良かったらブログのリンクからバンドのHPも覗いてみて下さいね。
sin
2006/06/21 01:34
TB有難う御座いました♪
こちらからのTBが上手く入らないのでコメントだけでお許し下さい。

この作品、どーも目新しさがなくてイマイチ楽しめなかったです^^;
なので、エリシャ・カスバートばかり観てました(^^ゞ

ではでは〜、これからもよろしくお願いします。
Aki.
2006/06/21 06:41
>sinさん、よーこそ「シネ・ワン」の世界へいらっしゃいませ!!また、TB&コメントありがとうございます。

ぼくのHNなのですが、おっしゃる通り、英国プログレシッブ・ロックグループ「ピンク・フロイド」のメンバー名からとりました。プログレ・グループではこのほか、キング・クリムゾンなどが気に入っています。また、sinさんのバンドのHPを覗いてみたいなあと思います。

それでは、今後ともよろしくです!!
D.ギルモア
2006/06/22 00:07
>Akiさん、よーこそ「シネ・ワン」の世界へお越しいただき感謝です。また、コメントありがとうございます。

TBが送付できなかったとのこと、ごめんなさい。NECとgooのブログの間に、何かシステム的な問題があるみたいです。
この映画で、ヒロインのエリシャ・カスバードは頑張っていましたよね。

それでは、こちらこそよろしくお願いします。
D.ギルモア
2006/06/22 00:15
TB&コメントもありがとう。
さすがCG・・・良く作ってましたよね。
前半の導入部がもっと良かったら評価も高くなったのですが・・・。

元映画の2作もアップしてして、TBしたので良かったらご覧になってください。
今回のに比べたらもちろんCGとかないのでそのところはチャッチイですが・・・。
satoshi
2006/06/22 18:27
satoshiさん、「シネ・ワン」の世界への再訪ありがとうございます。また、旧作2本のTB感謝です。

この映画は、核心にふれるまでの時間が、ちょっと冗長だったような感じがします。ただ、蝋人形館のある町のセットの情景というか、雰囲気が気に入りました。

それと、旧作2本ですが、見てみたくなりました。ホラー映画の元作とリメイクの関係ですが、だいぶ昔、デイヴィッド・クローネンバーグの「ザ・フライ」を見てその後、元作の「蝿男の恐怖」を鑑賞したのですが、元作の方がかなり面白かった印象をもちました。クローネンバーグ作品は元々大好きなのですが…。

それでは、またぜひ当ブログに遊びにきてくださいね!!
D.ギルモア
2006/06/22 21:59
はじめまして。TBありがとうございました。
この映画を観たのは半年以上前だったので、文章を拝見しながらああそうだったそうだった!と色々思い出して楽しかったです。
残酷描写についてはどうしても似たようなことをやっていると「慣れ」が出てきてしまうので、より過激に、というのは仕方ない部分もあるのかもしれませんね。
ゴロゴロシアター
2006/06/23 00:15
ゴロゴロシアターさん、よーこそ、「シネ・ワン」の世界へいらっしゃいませ!!また、TB&コメントありがとうございます。

ぼくの書いた記事が参考になったみたいで、うれしいです。
また、本作の続編の件ですが、すいません。ぼくの勝手な憶測でして。あのラストシーンをみると、「羊たちの沈黙」や「バイオハザード」などを思い浮かべてしまって…。
でも、続編が作られてもおかしくはないですよね。仮に作られたとしたら、加害者兄弟のもう一人が大暴れするような気がします。(笑)

それでは、またぜひ当ブログに遊びにきてくださいね!!
D.ギルモア
2006/06/23 01:07
こんばんは。
TB&コメントどうもありがとうございます。しかし、折角頂いたコメントを他の迷惑コメントと同様に誤って削除してしまったようで…この場を借りてお詫びを申し上げます。また良ければお邪魔させて下さいね。宜しくお願いします。
my life
2006/06/23 21:25
my lifeさん、よーこそ、「シネ・ワン」の世界へいらっしゃいませ!!

コメントを誤って削除されたとのことですが、全然気にしておりません。元々、大したコメントでないので。(笑)

それでは、またぜひ当ブログに遊びにきてくださいね!!
D.ギルモア
2006/06/23 22:39
TB&コメントありがとうございます。「CINEMA DEPOT's BLOG」管理のデポと申します。お返事が遅くなってしまって申し訳ありません。
この「蝋人形の館」だけでなく、最近の海外のホラー作品は“いまひとつ”といった作品が多い気がします。映像などの技術が進歩するにつれて、昔の作品で感じたような怖さが薄れてしまったように感じるのデポだけでしょうか?まぁ、それだけデポが年をとったということなのかも知れませんね。
最近は仕事が忙しくて、レビューやコメントのお返事も遅くなっていますが、よろしければまた遊びに来て下さい。
デポ
2006/07/10 23:57
デポさん、よーこそ、「シネ・ワン」の世界へいらっしゃいませ!!また、こちらこそTB&コメントありがとうございました。

おっしゃる通り、最近のホラーはCGなど映像技術としては優れていますが、昔の方がストーリーで怖がらせるといった作品が多かったみたいですね。「悪魔のいけにえ」もそうでしたが、他に「キャリー」やヒチコックの「サイコ」、キューブリックの「シャイニング」などが怖かった記憶があります。

それではまた、あなたのブログに立ち寄らせていただきますんで。その節はよろしく!!
D.ギルモア
2006/07/11 01:28
あぁ〜そっかぁ〜グロい映像ってのが
あんまりお好きじゃないのですね?
まぁ好きってのもどうかと思うのですが、
なかなかハラハラしたし、キャストも好みで
楽しめちゃいました。
基本的にホラーはあんまり好きじゃないし、
全然詳しくないのですけどね(;・∀・)
miyu
2007/12/09 22:42
>みゆぽん、こんばんはっす。

そう、ホラー映画は好きなんだけど、痛い系はだめなんよね。「ソウ」の第1作を見て、ああ、これは自分にはだめだと思い、相次ぐ続編も見るのをやめたくらいで。

ただ、本作では痛い系シーンを除いて、町とか館の雰囲気がよく撮れていたとは思うんよね。そこそこ楽しめたことは事実でありまする。
D.ギルモア
2007/12/09 23:50

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