「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」「ギルバート・グレイプ」「サイダーハウス・ルール」などの作品で知られるスウェーデン・ストックホルム出身の名匠、ラッセ・ハルストレムが2001年に撮ったヒューマン・ドラマ「シッピング・ニュース」(米、111分、MIRMAX映画配給)。ピュリッツアー賞と全米図書賞を受賞したE・アニー・プルーのベストセラー小説を映画化。いまわしい過去をもった人らを描き、再生への道を示している。同年のゴールデン・グローブ男優賞(ケヴィン・スペイシー)と、音楽賞(クリストファー・ヤング)にノミネートされた。物語は新聞社のインク係として働くクオイル(ケヴィン・スペイシー)は、美しい女性ペタル(ケイト・ブランシェット)と知り合い結婚し、娘バニーをもうける。しかし、ある日ペタルはバニーを連れて家出する。その後、ぺタルは交通事故で死ぬ。失意のどん底にいたクオイルは、バニーを連れ、父の故郷ニューファンドランド島へと向かうのだが……。 さて、ここで本作をストーリーの構成にしたがって見ていこう。まず序盤だが冒頭、クオイルの幼児期に父親から無理やり水中に泳がせられるという回想シーンから始まる。ここで流れるクリストファー・ヤングの民俗音楽風の旋律はなぜか郷愁をさそわれるようで印象的だ。そしてクオイルの日常生活が描かれる。まるで死んだような日々だ。しかし、彼はある日、ガソリン・スタンドでペタルと出会う。職は防犯ベルのセールスだが、次々に男を代えセックス好きという典型的な悪女として人物設定がなされている。そんな女だがクオイルは純粋に愛する。女性を一途に愛するが、たよりなく、ダメ男といった役柄にケヴィン・スペイシーは適役だ。やがて、ペタルは交通事故で死に、ケヴィンの父親の訃報が飛び込んできた時に、父の妹でクオイルの叔母にあたるアグニス(ジュデイ・デンチ)が現れる…。中盤に入り、クオイルは、娘と叔母を伴い、クオイル家の祖先の地であるニューファンドランド島を訪れる。同島の岬にワイアで支えられたみすぼらしいクオイル一家の一軒家があった。祖先が氷上を30人くらいで、ここまで引いてもってきたのだ。しかしそれにしても、この島の景観は素晴らしい。やがて、クオイルは地元の新聞社に就職する。シッピング(港湾)ニュース担当の記者だ。内実は、かなりいい加減な新聞社なのである。ラジオからネタを盗んだり、事故関係の記事が読者受けするということから、それらを中心に書くといったありさまだ。 興味深いのは、クオイルが先輩記者からヘッドライン(見出し)の作り方について指導を受けるシーンだ。海を見て、クオイルが「黒雲が水平線を覆う」と言うと、先輩は「嵐が村に迫る」と教える。本作は、ラストもそうだが、ヘッドラインがクオイルの心情を表すキーワードとして上手に使われている。そして、彼は新聞社社長の言うことを聞かず、交通事故の取材をやめ、独自に取材した″ヒトラーが所有したヨット″のネタを記事化し、社長から評価を受け週1回のコラムを依頼される。やはり、ジャーナリズムというのは、警察や行政などからの″発表もの″に甘んじているよりも、独自ネタがいかに大切かを改めて認識させてくれる。クオイルは見出し、「不器用な男、大うけ。快挙」とつぶやく。初のコラムでクオイルは、油田の話題で環境問題に言及したのに対し、編集長から不当に改ざんされてしまう。怒ったクオイルは社長ジャック・バギット(スコット・グレン)に直訴し、再掲載の許可を得る。ここで、記者と編集長(デスク)との関係を考えさせられてしまう。この世に無理解なデスクは数多くいるだろう。しかし、記者としては自己の考え、主張を徹底的に貫くべきである。 クオイルは娘が通う保育所で、未亡人ウェイヴィ(ジュリアン・ムーア)と知り合う。始めは友だち関係であったが、徐々に親密な関係となる。2人とも妻や夫を亡くしたという暗い過去をもつ人物設定だ。当初、ウェイヴィの夫は嵐で溺死(できし)したのが理由だったが、やがて10代の娘と駆け落ちしたのが真相であったことが分かる。一方のクオイルは、先祖が海賊であり、残虐行為をはたらき村を追放され、当地にやって来たことを先輩記者から知らされる。終盤に入り、クオイルは娘が再三、指摘していた″白い犬を連れた幽霊″を発見し、森の中を追跡する。それはクオイル一家残党の老人だった。クオイルはその老人から、叔母アグニスが12歳の時、彼女の兄(クオイルの父親)に暴行を受け子どもを堕ろした事実を知らされ愕然とする。その後、クオイルは自宅に戻り、叔母に聞く。「壊れた心をどうやって癒(いや)すの?」。 やがてクライマックス。嵐が村を襲う。クオイルは車でウェイヴィの家へと駆けつける。他方、バニーは岬の一軒家のことが気になり、仮住まいの家から抜け出し、様子を見に行く。ワイアが切れそうになり、崩壊していく家のありさまをバニーは目の当たりにする。翌朝、嵐の影響で溺死した社長の葬儀が営まれる。「人は旅人。どのみちいつか沈む運命にある」という弔辞がささげられる。しかし、社長は息を吹き返し生き返る。まるで、フェリーニの映画を見ているようだ。やがて、クオイルらは壊れた一軒家の跡地を訪れる。そして、クオイルは言う。「ヘッドライン、大嵐が家を襲う、あとには絶景が」……。この映画は、暗い過去をもった人たちのいまわしいダークサイドな面が相次いで明らかにされる。しかし、一軒家の崩壊が象徴しているように「家の伝統」が壊れ白紙に戻され、新生への道を提示しているのだ。 [5段階評価]……☆☆☆☆ You Tube「シッピング・ニュース」へのリンク先 http://jp.youtube.com/watch?v=qUPRl3rELg0 シッピング・ニュース 特別版
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シッピング・ニュース
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あじさいCinema 2006/09/10 17:59 |
#088 シッピングニュース
製作:アーウィン・ウィンクラー、リンダ・ゴールドスタイン・ナウルトン、レスリー・ホルラン 製作総指揮:ボブ・ワインスタイン、ハーヴェイ・ワインスタイン、メリル・ポスター 監督:ラッセ・ハルストレム 原作:イー・アニー・プルー 脚本:ロバート・ネルソン・ジェイコブス 出演者:ケビン・スペイシー 、ジュリアン・ムーア 、ケイト・ブランシェット 、ジュディ・デンチ 、ピート・ポスルスウェイト 、スコット・グレン 、リス・エヴァンス 2001年 アメリカ ...続きを見る |
風に吹かれて-Blowin' in th... 2006/09/10 19:19 |
シッピング・ニュース
魂を解き放つ 先祖の島 ...続きを見る |
悠雅的生活 2006/09/10 20:27 |
シッピング・ニュース
【THE SHIPPING NEWS】2001年/アメリカ 監督:ラッセ・ハルストレム 出演:ケヴィン・スペイシー/ジュリアン・ムーア/ジュディ・デンチ/ケイト・ブランシェット ...続きを見る |
BLACK&WHITE 2006/09/10 20:51 |
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&?&&???&&??&&&&Shipping News&?&2001?&&&&?&??&&&&Х?&&&&?&?&&&&&?&&&&??&θ&&&?&&&&&&??&&&&??&&&&?&?&&&&Τ&?&?&&&&&&&&&&&&&&&&&??&&&&&&&&&&&&?&&?&&&&&????&&&&?&&&&?&&??&&&&&&??&&?&&&&&&?&&&&&?&&?&&&&Τ?&&?&&?&&&&Τ?&&&&?&&?&?&&&?&&?&&&&&&&&?&&&?&&&&&&&Ρ&&... ...続きを見る |
???? 2006/09/10 20:55 |
「シッピング・ニュース」
[:映画:] シッピング・ニュース 特別版 ...続きを見る |
That's the Way Life ... 2006/09/10 21:33 |
シッピングニュース
ドラマ 2001年 アメリカ 監督 ラッセ・ハルストレム 出演 ケヴィン・スペイシー/ジュリアン・ムーア/ジュディ・デンチ/ケイト・ブランシェット/ピート・ポスルスウェイト/リス・アイファンズ/ゴードン・ピンセント/スコット・グレン/ジェイソン・ベア/ラリー・パイン/ロバート・ジョイ/ジャネッタ・アーネット 原作 E・アニー・プルー 人生最高の ニュースを 伝えたい あらすじ 新聞社のインク係のクオイルは、父親の教育がトラウマとなって自分の殻に閉じこもる男となってしまった。そんな彼... ...続きを見る |
レンタルだけど映画好き 2006/09/11 00:58 |
「シッピング・ニュース」
シッピング・ニュース 特別版 ...続きを見る |
NUMB 2006/09/11 07:56 |
シッピング・ニュース
「ギルバート・グレイプ」「ショコラ」のラッセ・ハルストレム監督作品。 この監督は、美しくも厳しい自然を描くのがとてもうまい。 ...続きを見る |
シェイクで乾杯! 2006/09/12 00:10 |
★「シッピング・ニュース」、穏やかな強靭さ★
「シッピング・ニュース」(2001) 米 THE SHIPPING NEWS 監督:ラッセ・ハルストレム製作:ロブ・コーワン レスリー・ホレランリンダ・ゴールドスタイン・ノウルトンアーウィン・ウィンクラー共同製作:ダイアナ・ポコーニイ製作総指揮:メリル・ポスター ボブ・ワイン... ...続きを見る |
★☆カゴメのシネマ洞☆★ 2006/09/14 11:54 |
シッピングニュース
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DVD映画人ブログ 2006/11/14 00:28 |
| 内 容 | ニックネーム/日時 |
|---|---|
こんばんは。TBありがとうございました。 |
chibisaru 2006/09/10 19:23 |
>chibisaruさん、おひさ!!たしか、「きみ読む」のとき以来だったかな? |
D.ギルモア 2006/09/10 21:22 |
初めまして、こんばんは。 |
武田 2006/09/11 00:46 |
>武田さん、よーこそ、「シネ・ワン」の世界へいらっしゃいませ!!また、TB&コメントありがとうございます。 |
D.ギルモア 2006/09/11 02:12 |
TBとコメントありがとうございました。 |
mambotaxi 2006/09/11 21:29 |
>mambotaxiさん、よーこそ「シネ・ワン」の世界へいらっしゃいませ!!また、TB&コメント感謝です。 |
D.ギルモア 2006/09/11 21:57 |
D.ギルモアさん、TB、感謝です♪ |
カゴメ 2006/09/14 12:03 |
>カゴメさん、こんばんは。毎度です。 |
D.ギルモア 2006/09/15 02:05 |
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